従事者の安全対策2(被ばく線量限度)
二つ目は、発生装置を取り扱う従業員(放射線業務従事者)の被ばく管理で、大変、重要なことです。
なお、放射線業務従事者以外の管理区域に立ち入っている者も、被ばく線量を測定することとなっています。
法令の被ばく線量限度は、2種類あります。
実効線量限度と等価線量限度です。
1、実効線量限度
(1)100mSv/5年 かつ 50mSv/年
女子(妊娠する可能性がないと診断されたもの及び妊娠中のものは除く)
:5mSv/3月
(2)妊娠中の女子
: 1mSv/(診断から出産まで)
2、等価線量限度
(1)水晶体:150mSv/年
(令和3年4月1日から法令改正され、 50mSv/年 かつ 100mSv/5年になります。)
皮ふ:500mSv/年
(2)妊娠中の女子
:腹部表面で
2mSv/(診断から出産まで)
さて、放射線の影響について、考えたいと思います。
皆さんは、ハイキング、スキー、海水浴などで、皮ふが日に焼けたかとは、ありませんか? 日焼けしたとしても、時期が経つと日焼けは、直っていると思います。また、皆さんは、日ごろ、外を歩いて、日に当たっていると思いますが、日焼け(紅斑とも言います)の症状が悪化してますか。皆さんは、日の光りと同様、放射線を浴びています。より正確な表現で表すと宇宙から、地面(例えば花崗岩など)からの放射線(外部からの放射線)、空気中の放射性同位元素、及び食物の中に入っている放射性同位元素からの放射線(飲食によって、体内に入った放射性同位元素からの放射線(体内被ばく)から、放射線を受けています(自然放射線による被ばく)。つまり、私たちは、常に、大昔から、微量の放射線にさらされている中で生活していることを記憶しておいて下さい。
これからの話は、多量に放射線に被ばくしたときの影響の話です。
放射線の影響は、紅斑、白内障、白血病、発がんなどの被ばくした本人(胎児も含む)への影響(身体的影響)と生殖腺(卵巣、精巣)の被ばくによる遺伝子変異による子孫への影響(遺伝的影響)とがあります。身体的影響は、紅斑などの早期に現れる急性影響と白内障、白血病、発がんなどの時間が経ってから現れる晩発影響に分かれます。
また、影響の区分として、日焼けが治る(日焼けした細胞が垢となって、下にある新しい細胞(皮ふ)ように入れ代わるように、また、白内障、ある線量(しきい線量)以下では、症状が現れない確定的影響と白血病、発がん、遺伝的影響などの確率的影響の二つがあります。
では、なぜ、放射線を使うのでしょうか?
放射線の中には、外から測定できるものがあります。例えば、歯の検診や健康診断でX線写真を撮ります。また、皆さんが使っている携帯電話の中や橋の鉄骨の状態を、壊さないで見られます。これは、非破壊検査と呼ばれています。まだまだ、私たちの生活で、放射線は使われている無くてはならないものとなっています。身体の中のガンをさがすことや血管の詰まりかかった場所をさがすことにも利用されています。
で、使用する場合、放射線業務従事者に対し、確定的影響を無くし、確率的影響を出きるだけ低くを押さえるため、等価線量限度(確定的影響の防止)と実効線量限度(確率的影響の低減)が定められています。
注意点は、この値を超えたら、「影響がでる」ことは、ありません。
尚、法令では、事業者に対し、いろいろな安全対策を行ったことを、記録、記帳することを求めています。
前述の被ばくの記帳、記帳は、3月(女子)、年の記録、記録を基本し、
特別(妊娠中の女子、年20mSvをこえての被ばく場所など)に、月、5年、妊娠されている期間の記帳、記録をすることとされています。 また、保存期間は、従事者が退職されるであろう期間の50年間とされています。
作業環境測定の結果も、記録、記録する必要があります。
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